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第九回

「或日朝課」
山田晃一
(上平十一真)

烟霧曚曚として早晨を鎖し
間情淡遠として紅塵を絶つ
鐘清く香めぐれば東方白く
覚め来れば経を続ける無礙の身

(評)
○詩題「或日」は、和臭なので「秋日」と変えた。
○承句 「絶紅塵」の主格が「間情」つまり「静かな心」とすれば、おかしいので、外界の何かが必要となる。つまり外は未だ暗く、視力に頼れるものではなく、聴力に頼れるものでなければならない。
○転句「鐘清香繞」は「東方白」に結びつける語句としては弱いので変えた。
○結句「覚来続経」 、「来」を仄字としているが、平字であるから二四不同の作法に反するので代えた。

(添削詩)
「秋日朝課」

烟霧曚曚として早晨を鎖し
耳辺の松籟紅塵を断つ
暁鐘夢を破りて東方白く
兀坐経を誦す無礙の身

(烟霧)けむりのような霧(鎖早晨)夜の明けるのをさまたげる
(耳辺松籟)耳元で聞く松風の音(断紅塵)俗世間のほこりを断つ
(東方白)東の空が白く夜が明ける(無礙身)自由自在でこだわりのない我が身


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